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しなる建築

 建築を利用する人間も、建築が置かれている地球環境もやわらかく動的である。その間にある、衣服のように柔らかく動的な建築を考えてみる。そこで「しなり」という物理現象に着目した。「しなり」は、変位によって外力を可視化する性質を持つ。その性質を建築に応用することで、「しなる建築」を計画した。

 「しなる建築」は、訪問者の身体行為を可視化し、その行為を知覚認識可能とすることで、訪問者の身体感覚を刺激するものである。これまで建築の世界では「たわみ」と呼ばれ、ネガティブに捉えられてきた「しなり」をポジティブに捉え直すことで、身体と空間が物質の性質を介してインタラクティブな関係性を構築できる建築である。

 「しなる建築」を考えるにあたり、基本形態モデル、反復形態モデル、立体構造モデルと段階的にモデルを作成し、そのしなり方を分析した。本計画では、分析を基に特にリング型を選定し、5層に積み上げて建築化した。

早稲田建築設計賞(修士計画最優秀賞) 受賞

第17回 JIA関東甲信越支部 大学院修士設計展 2019 出展

第42回学生設計優秀作品展(レモン展) 出展

WA2019 稲門建築会機関紙 No.56 掲載

第42回学生設計優秀作品展(レモン展)作品集 掲載

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